2022-12-07 のメモ
恒例になったブランドの撮影。といっても今回は他のブランドの発表と時期がずれているらしくお客さんも少ない。
1年を通して作品を見たけれど、最初に感じた「高いものだけあって良い布できちっと作られている」という感触は薄れてきたかもしれない。慣れもあると思う。けれど、私にとっては蚤の市で触れた、きちっと目が詰まって織られた丈夫な綿でできたパジャマの、何十年も着られながら擦り切れもせず変わらず丈夫なままであるあの細かい布の目や縫い目の方が心を捉える対象であるのだともう。
慣れてきただけじゃなくて、もちろんファストファッションとは違うものの、体温を感じられるまでではないという気がして。
年間4回も新作を出さなければならないなんて大変なことだな。表面的にわかりやすいアイデアで勝負しようとすれば汲み尽きてしまう(もちろんそうでないのがトップのひとたちなのかもしれないけれど)。私はあまり見えないところをどんどん深く掘ってゆくことに興味があるので、ばんばん分かりやすく移りゆくことには、表面的な刺激しか受けないのでいつしか風景が見えなくなってしまう。
一着ずつラックから移動して服の詳細を撮る。ビーズや金属、刺繍が縫い込まれた服が多くてどれもとても重たい。数百着をひとりで撮らないといけないので肩が凝る。だいぶ逃がせるようになったけれど。
ショールームにずっといると目が疲れる。みんなここにずうっといて、神経が疲れないのかな。目がじんわり熱い。
夜はなるべく目を休めよう。